「あたしの病気は治らない」
そう口火を切ってから、今までの病気の経緯と病状の説明をした。
わかりやすく、でも丁寧に。
これがあたしに出来る精一杯だから。
手をしっかり握ってあたしは喋り続けた。
いつも力強く握り返してくれる手には全く力がこもっていないけど・・・。
話終わるとソウちゃんは疲れきった顔で言った、
「何か治療してるのか?」
あたしは首を振った。
「特にはしてない。毎月薬が出てそれを飲まなきゃ生きていけないのは事実。後はこうやって月に1回検査入院するだけだよ」
「それだけって・・・何で治療してくれねーんだよ」
「あたしの病気は特殊で新しい病気だから特効薬はなくて、手術も出来ないからね」
そしてあたしは自分でも言いたくないけど、ソウちゃんにとっても一番残酷な事を言わなきゃいけない。
「ソウちゃん」
握った手に力を込めるとソウちゃんはあたしの顔を見た。
「あたしの病気は治らないの。・・・で、あたしがいずれこの病気で死ぬのは間違いないの。それが明日なのか、10年後、20年後かはわからないけど、必ず死ぬのよ。みんなより早くね」
「え?」
ソウちゃんはまた絶句した。