あたし達はそれからお互い何も言えなくて・・・


ソウちゃんは自分の足元をうなだれて見ていて、


あたしはソウちゃんの顔を見れないで窓の外を見ていた。


馬鹿馬鹿しいくらいにキレイなグラデーションの夕方の空は、

呪いたいくらいに今のあたし達には似合わない。


「キレイな夕陽だね」ってきっと誰かが、恋人同士が手を繋ぎながら歩いているかもしれない。


そんな想像だけの他人にさえ呪いたくなる。



今、あたしとソウちゃんは多分、これからの長い人生・・・それはソウちゃんだけかも知れないけど、


きっとすごく大事なポイントにいる。


この嵐を2人で越えれるか越えれないか、


それはあたし達、まだ17歳の幼いあたし達にかかっている。


だから、あたしはソウちゃんを救わなきゃいけない。


離れてしまってもいい。


逃げたっていいの。だってあたしもソウちゃんも子供だから。


いなくならないで何てあたしの都合じゃん。


だから、だけど知ってほしい。


そして、ソウちゃんが決めればいいんだよ?



そう思ってうなだれているソウちゃんの手をそっと握った。


「ルウコ・・・?」


「ソウちゃん、聞いてほしいの。あたしの病気の事」


精一杯努力してあたしはソウちゃんに微笑んだ。