何も言わないソウちゃんに椅子を指差した。


「座って?座ってくれなきゃ落ち着かないの」



こんな素っ気ない言い方なんてしたくない。


本当は抱きついて思い切り泣いてしまいたい。


でも、あたしにはそんな資格ないから・・・


『バイバイ』って突き放すのが最大の優しさなのかもしれない。


でも、あたしは子供だからそんな事出来ないよ。


ソウちゃんがいなくなるなんて、


そんなの生きていけない。



ドサって疲れたように椅子に座り込んだソウちゃんがもう一度言った。


「だから、何で?」


あたしはソウちゃんの顔を見る事すら出来ない。


こんな台詞言わせたくない。


「何でって・・・病気だからベッドにいるに決まってるじゃない」


「何の病気だよ?心臓疾患ってやつ?あの本に書いてた病気?」


「知ってたんだ・・・」


やっぱり読んだんだね?あの本。


読んで悩んでたんでしょ?


苦しかったよね?知らないフリなんかさせちゃって・・・


あたしはどこまで最低な女なんだろう・・・。


大事な人を苦しめてたなんて、こんな最低な女他にはいない。