お母さんは特に何も言わないで「気をつけてね」とだけ言った。
翌日の朝、やっぱり身体が重かった。
昨日の今日で休んだら、三上さんが相当悪者になりそうだし・・・。
学校に行く準備をすると洗面所でルミに会う。
「暴力姉ちゃん。とうとう学校でも殴り合い?」
そんなルミのほっぺをギューってつねった。
「顔色が悪いから休みなさい」と言う両親に「具合悪くなったら迎えに来てね」と言って学校へ向かう。
歩いていると横に車が停まって「送るから」とお母さんが声を掛けてきた。
駅で明日香を拾って学校へ向かう。
「ねぇ、明日香ちゃん。ルウコが学校で殴り合いしたって本当?」
お母さんの言葉に明日香は「殴り合いじゃないよ」と答えた。
それから明日香とお母さんが世間話をしているのを聞いていたけど、やっぱり気分が悪い。
「明日香ちゃんは『ソウちゃん』って子知ってる?」
お母さんの言葉に2人でギョッとなる。
「え?まぁ・・・。同じクラスにそんな人いるけど。何で?」
「その子ってルウコの彼氏なの?大丈夫かしら」
明日香があたしを見たから「知ってるよ」という意味を込めて頷く。
「ソウちゃんは大丈夫よ、ルウコママ。優しいしルウコの事大事にしてるから」
「ふーん・・・」それだけ言って会話終了。
学校に着いて、下駄箱の前まで行く時には冷や汗ダラダラで明日香の肩に掴まって言った。
「あたし・・・ヤバイかもだから保健室で寝る」