「ルミ?茶髪のピアス?背が大きい??教育実習生なのか?全く、今時の教師は・・・」


お父さんがけしからんとばかりにブツブツ文句を言ってる。

あたしは涼しい顔でルミの足を思い切り踏んでやった。


「いったぁーい!お姉ちゃんがルミの足踏んだー!」


「何?踏んでないけど。自分で椅子で踏んだんでしょ」


(クソガキが余計な事をペラペラと・・・)


お父さんとお母さんが顔を見合わせて「何だろう?」と言ってるうちに小声でルミに忠告した。


「あんた、これ以上余計な事言ったらボッコボコにするからね。殺すぞ!ガキ!」


ルミはムーっとした顔で睨んでから、お父さん達に聞こえる声で言った。


「お姉ちゃん、ルミ会いたいなー。ソウちゃんに。今度連れてきてよ」


(このガキャー!!!)


シーンとする食卓。


お父さんは硬直。お母さんは口に手を当ててビックリ。


(どうすんだよ、この空気・・・)


仕方ない。友達とでも言っておくか・・・と思ったら、


「ソウちゃんはお姉ちゃんの彼氏だよ!そこそこイケメンかな?部屋にプリクラ貼ってあるんだー」


「ちょっと!ルミ!何勝手に部屋に入ってるのよ!殺す、お前ってガキは今日こそ息の根止めてやる」


ブチ切れでルミのほっぺたにビンタをした。


勢いでルミが椅子から転げ落ちる。

落ちた瞬間ルミは子供ならではの大泣きで、まだ我慢出来ないあたしも立ち上がって泣くルミの襟を掴んで引っ張り上げた。


『やめなさい!!』両親の声がカブった。