「あ、やっぱりそうなんだ。ミサってピアノ習ってたでしょ?同じピアノ教室だったよ。で、今も友達でたまに遊ぶけど。ルウコも名前知ってるでしょ?」
明日香に言われて「あぁ、ミサちゃん?会った事ないけど」と答えた。
そんな明日香の手を幹太くんがガシっと握った。
「何?キモイから離してよ」
「お前、オレの女神様!?顔だけだと充分女神様だな!毒吐き女神!!」
幹太くんが子犬の様に明日香を見ている。
「え?毒吐きは失礼だけど。何?協力しろって事?」
迷惑そうな明日香に幹太くんは何度も頷いている。
「えー、面倒くさっ!でも、ミサって今、彼氏いないよ?好きな人もいない」
「マジ!?」
さっきとはうって変わってキラキラしている。
「待って、メールしてみる。『幹太が好きなんだって。どうする?』でいい?」
携帯を出した明日香に「ちょっと待て!」と慌てて止めた。
「じゃあ、どうしたいの?」
「彼氏いないかの確認だけでいい!で、これからそれとなーくオレを推してくれると助かる!」
「いくら出す?」と明日香が不適に笑った。
「それは成功報酬って事で!成功したら何でも買ってやるから!!」
「モノより金がいいなー」
そんな感じでソウちゃんがグースカ寝てる間に賄賂付きの協力が決定したようだ。
「頼んだぞ!明日香!!」完全に浮かれた幹太くんがなぜか寝ているソウちゃんの頭をバシっと叩いた。
「痛ってぇ・・・何?何の話?」とソウちゃんは相変わらず人の恋の話に興味ゼロ。