「俺、あなたの友達に一目惚れしちゃったんです!あの人の名前だけでも教えてもらえませんか?」


目の前には、真っ赤な顔で必死にお願いする達也くん。


あたしの頭の中には、ナツの顔。


働かない頭をフル活動させて、
あたしは達也くんの言葉の意味をひとつひとつ理解していく。


そして、やっとわかった。



ああ……あたしは、告白もできないまま振られたんだ……。



あたしの憧れの達也くん。


いつのまに、
あたしはこんなにも、彼のことを好きになっていたんだろ。



突き刺さるように胸が痛いのが、それを物語っている。