「おつかれ」


「……おつかれ」


放課後。


図書室。


いつものようにカウンターに並んで座る私と早瀬君。


なんだか、自分だけが……気まずい。


「昨日はありがとね、鍵」


早瀬君が本を開く前に私を見てそう言った。


「ううん。
いつもしてもらってるし」


私は頭をブンブンと振った。


「……」


「……」


早瀬君がじっと私を見る。


……え?


うっすら笑いながら、……じっと見る。


な、何……?