結局木之下君は5時まで喋りながら早瀬君を待った。
帰り際、早瀬君に、
「一緒に帰る?」
とまた聞かれたが、私はブンブンと頭を横に振って、
「鍵は私がするからいいよ」
と言い、早瀬君達を先に帰した。
なんだか今日は、心の中が慌ただしい一日だった。
いや、高2になってからほぼ毎日なのかもしれない。
私は変化が好きな方じゃないのに。
できれば、目立たず穏やかに落ち着いた学校生活を送りたいのに……。
1人で帰りながら、そんなことを思う。
「……」
そしてそんなことを思いながらも、
今日も2人で帰ってたら……、
と意に反する妄想が膨らむ。
ブンブンと頭を振って、一回リセットする。
寝不足だし、帰ったら早く寝よう。