楠原とつきあいだしてから、1ヶ月半。 家に行きたいって言ってくれた約束を、やっと果たせると思っていたのに。 カチャカチャと、カバンの中からペンケースやノートを出す楠原。 また、カウンターで無理な体勢で宿題しようとしている。 その姿を盗み見て、声を出さずにふっと笑う。 何なんだろう。 この人は。 絶対やり辛そうなその格好さえも、可愛らしくて微笑ましく思える。