「あれぇ?
昨日、可愛かったのに~」
次の日。
いつも通りの髪型で登校すると、玲奈ちゃんと恵美ちゃんが、残念な顔をした。
「なんか、スースーしたから、……取っちゃった」
私は変な言い訳をして、自分の席に座った。
斜め3つ前の早瀬君の背中をちらりと見る。
聞こえたかな……?
「もったいないなー。
まあ、でも、これで分かったね。
果歩りんが磨けば光る原石だってこと」
玲奈ちゃんが満足げに言う。
恵美ちゃんも、うんうん、と頷く。
「そんなことないよ。
私なんて全然……」
思っても無いこと言わないでよ。
しかも、そんな大きな声で。
……恥ずかしい。
早瀬君にも聞こえちゃう……。