次の日の放課後。
私の方が先に図書室に着いた。
奥の方に自習している生徒が2人。
私は静かにカウンターの中に入って、座った。
「……」
この、上げた前髪……。
今日は、教室で恵美ちゃんと玲奈ちゃんに、ものすごく褒められた。
少し恥ずかしかったけれど、少しスースーしたけれど、私はやっぱり嬉しかった。
早瀬君……。
気付いててくれてるかな?
「……」
あれ?
それより何より……。
あの、『目、閉じてみる?』の日以後、初めて喋るんだ。
……早瀬君と。
ゴクリ。
喉が鳴るのが分かった。
私の緊張のバロメーターが瞬く間に上がり始める。