「果歩りん、て言うの。
あんまり男の子に慣れてないみたいでさ、あんた達と手馴らしに喋る練習でもって思って」
恵美ちゃんが私の背中をポンポンしながら紹介する。
ちょっと……。
そういうこと言うとかえって緊張……。
「ああ、やっと来たんか」
ゴト。
メロンソーダをテーブルに乱暴に置き、私の前に座るドリンクバーから戻ってきたもう1人の男子。
「あ」
私が俯いた顔を上げる前に、彼は若干驚いた声を出した。
目が合う。
私も、一瞬固まってしまった。
「……」
そこには、木之下陽平がいた。
「……へぇ。
また異色な」
なんとなく鼻で笑うように言う木之下君。