その日の夜、私は携帯を握りしめて、ひたすら画面とにらめっこしていた。
メール画面の本文のところに何文字か打っては、消して、もう一度打ってはやっぱり消しての繰り返し。
アキちゃんに送ろうと思っているメールなんだけど、友達にメールを送ったことがない私は悩みまくり。
しかも、内容が内容なだけに、こんなことでメールをしていいものかと迷っているのです。
【アキちゃん、お元気ですか?最近とても暑いですが、体調崩されたりしていませんか?
ところで、今度お茶など出来ませんでしょうか?実は恐縮ながら相談したいことがございまして……】
「……堅い、よね?」
慌ててカチカチと文字を消す。
夕飯を食べ終わって自分の部屋に戻ってから、こんなことをかれこれ1時間は繰り返している。
我ながらひどいと思う。口下手なうえにメールもできないのか私は……!
素直に言っていいのかな、相沢くんのことで相談したいことがあるって。
アキちゃんだったら、喜んで私の話を聞いてくれそう。
でも、野川先輩と私を重ねられてるのが嫌、なんて嫉妬でドロドロな私を知られて、嫌われたりしないかな。
初めて友達になってくれたアキちゃんに、嫌われたくないなぁ。どっちかというと、相談というより愚痴に近い話になっちゃうと思うし。
「……やっぱり、やめておこう」
そう思って、携帯を閉じようとした時だった。
~♪♪♪♪♪
「はわっ!?」