お昼休憩は、友達のいない私を気遣ってか相沢くんがいつも一緒にいてくれる。


彼が好きだと気付いた今、それはものすごく嬉しくてありがたいのだけど、同時に恥ずかしくも感じるわけで。


まったく気にすることなく相沢くんは隣に腰を降ろすから、私はいつも変に思われない程度に距離をあけているのだ。
……本当は近づいたい気持ちが山々だけど、そうすると私の心臓が持ちませんので。


「そういえば、私の何が“最近すごい”んですか?」


話しかけられた時のことを思い出して、疑問をぶつける。


相沢くんは「あー」とお茶を一口飲んでから答えた。


「なんかさ、人見知りとか口下手とか、直ってきたんじゃないかなと思って」


「え!? ほんとですか!?」


自分ではそんなふうに思わない。


文実委員の人たちは毎日のように顔を合わせているし、みんな気さくな方たちばっかりだから最近はテンパらずに話せるようにはなってきたけど……。
それでもまだ少し緊張する時はないとはいえない。


きっとほぼ初対面の人を目の前にしたら、どうしていいかわかんなくなると思う。


納得できなくて首を傾げていると、横から相沢くんの笑い声が聞こえてきた。