「香波ちゃん、あと何がいるんだっけ?」
「えーと、買うものはあとガムテープだけです。それからダンボールをいっぱいもらえれば大丈夫だよ」
「オッケー。じゃあ会計済ませてくるね」
重くなったカゴを持つと、柏木くんはレジのほうに向かう。
柏木くんは、さっきまで変なことを言ってたけど、お店に到着すると率先して買うものを探しに行ってくれた。それに今は普通に話してくれてる。
さっきのは何だったんだろう。私が気に入ったって、どういうことなんだろう。
普通に考えれば、好意をもたれているってことになるんだけど……それが恋愛的な意味であるとは限らない。というか、それは有り得ない。
私が男の子に好かれるようなことがあれば、きっと近いうちに天変地異が起こるぐらいの出来事だよ。
うん。それほどありえないことなんだから、特に考え込まず、普通にしていよう。
「香波ちゃんお待たせ!ついでにダンボールももらってきたよ!」
「はっ!すみません、私ボーッとしてて!」
「ううん、平気」
柏木くんは、にこっと天使のような笑顔を浮かべると。
「公園寄ってこーよ。アイス買ってきたんだ」
寄り道は……良くないです!