外はやっぱり暑かった。
クーラーの効いていた学校が、どんなに楽園に近い場所だったかを思い知らされた気分。
そういえば、前にも相沢くんと一緒に買い物したなぁ。あの時はいきなりでびっくりしたっけ。その途中で野川先輩と会って……。
相沢くんは、野川先輩と学校に残って、私とは別の作業をしている。たぶん、“ふたりっきり”で。
……あれ?なんか、心にチクリと何かが刺さったような気分。
変だなぁ……何だろう、この妙に渦巻いてる気持ちは……。
「あのさ、香波ちゃん」
そんなことをぼんやり考えながら歩いていると、柏木くんが口を開いた。
「香波ちゃんってさ、相沢浩也のこと好きでしょ?」
「え? ……ええ!?」
タイミングがずれて驚いた私を、柏木君はケラケラと笑う。
「何で……!? というか、私はその、別にというか、えっと、その……」
「ハハッ!香波ちゃん、慌てすぎだよ。それ、完全に肯定してるようなもんだよ」
「そ、そうなんですか!!」
「うん。バレバレ♪」
ああ……お恥ずかしい……!
この想いは、私とアキちゃんだけが知ってる密かなものだったのに……。