「……ううん!アキちゃんと友達になれたのは、相沢くんのおかげだよ!」


〈え?〉


「わ、私ね、ちゃんとアキちゃんの顔を見て自分から、友達になってくださいって言えたの。相沢くん、一番最初に顔を上げるっていうことを教えてくれたよね。顔を上げて相手の目を見て話したら、自分の気持ちが真っ直ぐに伝わったような気がしたんだ」


相沢くんは、初めて私のダメな部分を指摘してくれた人。
ダメ出しするだけじゃなくて、どうすればいいかきちんとアドバイスまでくれて。
時間はかかっちゃったけど、そうしてみたら、本当に友達ができた。


アキちゃんが私のことを気にかけてくれてたからっていうのもあるけど、アキちゃんと関わるきっかけをくれたのは間違いなく相沢くん。
今日、相沢くんと文化祭のことで教室で話していなかったら、アキちゃんと話すこともなかったかもしれない。



「ありがとう、相沢くん」



文実委員を相沢くんとやることになったのは、やっぱり必然だったような気がするんだ。


〈どういたしまして〉


優しい相沢くんの声が耳に届いた。


それと同時に、ドクンと再び跳ね上がる心臓。


速くなる鼓動を感じながら、私はやっと自覚したの。


『それは恋だね!』


アキちゃんの言った通りだった。



私……、


相沢くんのことが好きだ……。