そうだ。
屋上で見た女の人は、きっと野川先輩に間違いない。
雰囲気とか背丈とかそのまんまだもん。


あの時もそうだったけど、今ふたりが話してるところを目の前で見て、本当に仲が良いんだなと実感する。


ただの同じ委員会の先輩と後輩、という感じではない。


「……お、お二人はもともと……お知り合い、とかです、か……?」


何となく気になって聞いてみただけだけど、何故か緊張しているみたいで最後の方が随分と裏返っていて自分でもびっくりした。


「ああ。野川さんとは中学の時から……」


「浩也くん中学の時もサッカー部だったんだけど、私がそのサッカー部のマネージャーやってたの」


ああ、なるほど。


「あ、そうだったんですか……」


何となく私の知らない相沢くんの姿を、一個学年が違うとはいえ中学から一緒の野川先輩が知っているんだろうなと思うと、何と言うか……うまく言えない。何だろうこの気持ち。


もやもやしたような……複雑な感じ。よくわからない。


とにかく、中学時代の相沢くんを知ってる野川先輩が羨ましくなったのは確か。


いいな。うらやましいな。



私も、もっと相沢くんと仲良くなれたらいいのに……。