そういうわけで、ふたりで探し始めたんだけど……。



「全然見つかんねー……」


柏木くんがため息をついた。


探し始めてもうすぐ1時間が経つけど、なかなかお目当てのアルバムは見つからない。


さすがに疲れたのか、柏木くんは床に腰をおろしてうなだれる。
私もそうしたいところだけど、早く帰りたいのもあって手は休めなかった。


すると、その時聞き覚えのある声が出入り口のほうから届いた。



「あれ?桜さん?」



振り返り見ると、Tシャツ姿で汗を拭う相沢くんが資料室を覗き込んでいた。


「相沢くん!どうしたんですか?」


「いや、休憩中にトイレ行こうと思ったらここ開いてたから」


閉まっていることの多い資料室が開いてたから、興味本位で中を覗いてみたらしい。


「何してんの?」


「あ、えと……こういうアルバムを探してて……」


事情を説明すると、相沢くんはふーんと軽く答えて資料室をぐるりと見渡す。


「あれじゃないの?」


「え!?」と、私より先に柏木くんが反応して、素早く相沢くんの指さしたアルバムを手にとった。