「“チェンジ喫茶”とかは?だいぶ単純だけど」
チェンジ喫茶……それなら!
入るまでお客さんは何がチェンジしてるのかなんてわからないし、興味を引くのにもいいかもしれない。
「あ、あの……」
「お?何か他にいい案ある?」
それだったら、と思って声をかけてみたけど。
言う前に急に自信がなくなってしまった。
「……いえ、何でもないです」
苦笑すると、相沢くんが怪訝な顔を浮かべる。
「何でもない禁止。何かあるから言いかけたんだろ」
「いや、ほんとに何も……」
相沢くんの視線から逃れるように俯くと、頭に温かい何かが乗せられる。
それが相沢くんの右手だと理解するのにそう時間はかからず、びっくりして思わず顔を上げた。
「大丈夫だから。言ってみろ」
優しく響いた声に促され、私は口を開いた。
「うちの担任の先生……小川先生だから……“チェンジ喫茶・リトルリバー”とか……どうかなって思ったんだけど……」