企画申込書に今日決めたことを記入するため、私は放課後教室に残っていた。
企画書を書くだけだからひとりで大丈夫と断ったけど、相沢くんは俺も文実委員だからと一緒に残ってくれた。
きっと、早く部活に行きたいはずなのに。
ちゃんと、私一人に背負わせないようにしてくれている。
今日助けてくれた時も思ったけど、相沢くんはあまりそういうところを見せようとしないけど、本当はすごく優しい。
はじめは印象最悪だったはずなのに、私はここ数日で一緒に文実委員をやるのが相沢くんでよかったとさえ思うようになっていた。
「クラスの目標……」
書いていた手を止めると、相沢くんがゆるく答える。
「とりあえず真面目そうなこと適当に書いとけば企画は通るよ」
「は、はぁ……」
そんなものなのか、と少し疑いながらも教科書に乗っていそうなぐらい堅い目標を書いてみる。
「“文化祭に向けてクラス全員が一丸となり、当日の成功、そして文化祭を通してお互いの絆をより強いものにすること”……さすがだな」
私が書いたかっちかちの文を見て、相沢くんは苦笑した。