「い、いきなりどうしたんですかっ、相沢くん?」
両頬を手で覆い隠す香波。
俺はわざとらしくにこーっと満面の笑みで言った。
「俺、たぶん文実委員になる前から香波のこと好きだったんだろうなーって思って」
耳まで真っ赤になった香波を見て、俺はさらに楽しくなる。
「それより香波、さっき敬語使ったな。お仕置き……」
「あぁぁっ!ごめんなさい!」
慌てて謝る香波に、俺は「お仕置き」と言ってデコピンをひとつ。
「痛いっ!」
お仕置きを受けた香波が、くしゃっと顔を歪めて額を押さえる。
おそらく俺しか知らないであろうこんな表情が、彼女が自分の大事な恋人なんだなと実感して、嬉しいけどくすぐったい気持ちになった。
「よっしゃー。文化祭のだしものさくさくーっと決めるぞー」
「うんっ」
今年の文化祭も絶対成功させて、今度は大賞目指そうな!
ーfinー