そして、今。


高校2年生になった俺は、香波と一緒にまた文実委員になった。


「じゃあ、占いだけど占い師が3つのブースに別れて……」


目の前でいろいろとアイデアをひねり出している香波を、俺はじーっと見つめる。


1年前、入学式の日からしばらくまったく話すことがなくて、たまたま放課後掃除当番を押しつけられていた香波を見つけた。


話しかけたらどんな表情をするかな。


そう思って声をかけたけど、香波は俺と話したことがあったのなんてすっかり忘れたのか、人見知りモードを発揮して俯いてばかりだった。


その姿が中学時代の部活のマネージャーと重なって……。


だから少し、つっかかったような言い方をしてしまった。


その時のマネージャーは俺のストレートな言葉が図星だったのか黙り込んだけど、香波は失礼だとでも言うように言い返してきた。


それがすごく印象的で、俺はいつの間にか香波から目が離せなくなっていたんだ。