「……でも、明日の朝なら大丈夫だよ」



教室を出ようとした学級委員さんは、「え?」と驚きながら振り返った。


「明日の朝早くにやれば、HRには間に合うよね?」


「う、うん……そうだけど……」


「じゃあ、明日やろう!頑張りましょう!」


ニコッと笑って言うと、学級委員さんも嬉しそうに笑ってくれた。


「また明日」と手を振って学級委員さんと別れたあと、相沢くんにポンポンと頭を撫でられた。


「よく言えたな、香波!」


「相沢くんっ」


よしよし、と私の頭を優しく撫でながら、相沢くんが笑う。


「まあ、結局明日手伝ってやるってのが、香波らしいけどな」


「だって困ってるみたいだったから……」


助けてあげたいけど、今日は無理だから、だったら明日ならいいかなって。
私なんかが助けになれることがあるなら、力になりたいって思うの。


「相沢くん、私たちもまた文実委員やらない?」


「え?」


なんで、とでも言いたげな様子で私を見る相沢くん。


私は相沢くんの右手をぎゅっと握った。