「あ、あのっ、相沢くん……!?」


びっくりしてジタバタする私をおとなしくさせるかのように、回された腕がさらに強くなる。


相沢くんの体温を全身で感じて、顔が真っ赤になっていくのを自分でも感じた。


「香波……お前ほんとすげーよ。まさかお前からそんなこと言ってくれるとは思ってなかった……」


相沢くんは、一度離れて、私の両肩に手を置いて私をまっすぐに見つめた。



「俺もだよ、香波。お前のことが好きだ」



えっ……。


「ええぇっ!?」


相沢くんの言葉が信じられなくて、私は思わず大きな声を上げて驚いてしまった。


「えっ……えっ!? ま、マジでございますか!?」


「マジでございますよ。つか、そんなびっくりするとはな。結構俺わかりやすかったと思うけど」


呆れたように眉を下げる相沢くん。


そりゃあ、少しは自惚れてもいいのかなと思ったことはあったけど、でもやっぱり私なんかが相沢くんに好きになってもらえるなんて有り得ないだろうと……。


「んだよ、ジロジロ見んな。俺だってこんなん初めてなんだからな」


まじまじと相沢くんを見ていると、相沢くんが少し照れたように頬を染めながらそっぽを向く。


「あっ、すみません」


慌てて俯くと、また温かい腕に包まれた。