たくさんの出来事を経て、少しだけだけど、私は前とは違う、良い自分へと変わることができた。
きっかけは、あの日くじ引きで当たり引いて、文実委員になったこと。
でも、それからは相沢くんがいたから、私は立ち止まらずに前に進むことができた。
全部全部、相沢くんのおかげ。
相沢くんに……初めて……。
「あ、相沢くんっ……」
「いいよ、ゆっくりで」
優しい相沢くんに、初めて恋をしたから……。
初めて人を好きになれて、その相手が相沢くんで、本当に良かったと心から思った。
「……っ、好きです……。
相沢くんのことが好き……!」
初めて自分の想いを伝えると、今までの気持ちが溢れ出たのか、何故か涙が出てきてしまった。
別に悲しくはないのに止められない涙が、私の視界をどんどんにじませていく。
相沢くんがどんな表情をしているのかわからない。
でも……。
「なーに泣いてんだよ」
そう言った相沢くんは笑っているような気がして、私も「すみません」と言いながら笑った。
きっと嬉しいんだ。
初めて好きになった人に、想いを伝えることができた自分に。
だって今、とっても清々しい気持ちでいっぱいだから。
「相沢くんが……大好きなんです……!」
嬉しさのあまりもう一度言うと、その直後、相沢くんに腕を引かれ、強く抱きしめられた。