文化祭もあと1時間ほどで終わりを告げる。


クラスのほうも今日は何事もなく、お客さんにも大好評だった。


きっと、成功だと言っていいと思う。


だから、私は……言う。


相沢くんに好きですって……。



「で、香波、話したいことって?」


ほんとは立ち入り禁止だけど、相沢くんがここなら誰もいないからと連れてきてくれた。


悪いことをしてる自分にドキドキしていると、相沢くんのほうから話を切り出され、私は顔上げる。


でも、目の前にいる相沢くんはメイド服を着て女の子の姿をしている。


だから、少し笑ってしまった。


「あっ!香波、今俺を見て笑っただろ!?」


「ご、ごめんなさい!つい……」


「くっそー、もう脱いでやる」と言って、相沢くんはスカートを脱ぐ。
突然のことにびっくりした私だったけど、相沢くんはスカートの下に体操服を着ていたみたいでホッとした。


それからカツラとエプロンも取って、今相沢くんはブラウスに体操服のズボンといった少しおかしな格好をしている。


でも、スカートでもなく長い髪でもなくなった相沢くんは、普通の男の子として私の目に映った。


その瞬間、さっきまでよりも大きく心臓が鼓動を打つ。


息がつまりそう。でも、言わなきゃ。
柏木くんも今頃野川先輩に伝えてるはずだもん。
負けていられない!