――神様、ごめんなさい。


やっぱり無理です。



「えっと……じゃ、じゃあ文化祭の出し物を……決めたいと、おおお思います……!」


どうして。


どうして、私がこんなことやらなきゃいけないのですか!


翌日のHRの時間、あたし達文実委員を中心に文化祭について話し合うこととなった。


もちろん、文実委員が皆の前に立ち、意見をまとめなければならない。


だけど……私にそんなことできないよ!


神様、与えてくださった試練が大きすぎでした!


「それじゃみんなに聞こえないぜ?もっと声出さないと、桜さん」


チョークを持ち、隣に立っている相沢くんが小声で言ってくる。


彼の言う通り、あたしの必死の呼び掛けに誰一人として気付いてくれてはいなかった。


「そんなこと言われても無理ですよ〜……」


「ったく……」


頭を抱えた相沢くんは、チョークを私に渡すと教卓にバンッと両手をつく。


あれほど騒いでいたクラスの皆が一瞬で静かになった。