「まじか!全然気づかなかった!めちゃくちゃ似合ってるよ、浩子ちゃーん!」
相沢浩也だから、女の子バージョンで浩子ちゃん、か。なるほど……。
相沢くんはそんな屈辱的なあだ名をつけられたのが相当嫌だったのか、私の手を引くと柏木くんを無視して歩き出す。
あああ相沢くん!?
自然と繋がれてしまった手に、プチパニックを起こしてしまっている私。
「ごめんごめん!どうせだから、お二人さん、俺のクラスに寄っていけよ!」
「……しょうがねえ。そこまで言うなら行ってやらなくもない」
「なんかいちいちムカつく言い方だな……」
思考が回らない私にはお構いなしで話が進んでいく。
「香波。柏木のクラスがどれだけのものか見てやろうぜ」
「は、はいっ……」
とりあえず、手……!
離して欲しくないけど、離して欲しい!
心臓が持ちません……!
そして随分と上から目線だな相沢くん。なんて思っていると、手を握られたまま柏木くんのクラスへと連れていかれた。