「お前、何やってんだよ!こんな無茶して!」


「ごごご、ごめんなさい!!」


今日の相沢くんは何だか怖い。


私がほいほいと掃除当番やら雑用やらを任された時も、「ちょっとは断る努力をしろ」と怒られることもあったけどここまでではなかった。


「えと、あの、ほんとにご心配おかけして申し訳ありませんでした!でもあの、その、私としては助けられて良かったなって思っているわけでして、だからこんな火傷くらい毛ほども気にしていなくてですね、えーとえーと」


なんとか許してもらおうといろいろ言っていると、相沢くんは私の隣に座り、包帯が巻かれている左手にそっと触れた。


「……痛いか?」


「ほんの……ちょっとだけ……」


正直に言うと、相沢くんは私の頭を、自身の胸元へと引き寄せる。


「ひゃわっ!」


小さく悲鳴をあげる私に、相沢くんがとっても優しい声で言った。



「大丈夫なわけねえだろ。口下手なくせに一丁前に嘘なんてつくな」



相沢くん……。


慌てて駆けつけてきてくれたほど、本当に心配してくれてたんだなぁ……。


「相沢くんだって、私のこといっぱい助けてくれたじゃないですか。私も同じことをしただけです」


「ははっ、言うようになったな」