そんなことを考えていると。


「かーなーみー!こっち向いて!」


「え?」


アキちゃんに名前を呼ばれ振り返ると、それと同時にアキちゃんが持っていた携帯電話からカシャッと軽快な音が鳴った。


「???」


「香波の執事姿の激写に成功。至急相沢氏に送ります」


相沢氏って……えっ!? ええっ!?


「ちょっ、あの、アキちゃん!?」


「送信~♪」


はわわわ……本当に送ってしまったのね……まさか相沢くんに見られてしまうなんて!
恥ずかしいよもう!アキちゃんのバカ~!


と、こんなことを心の中で盛大に思っていても、送ってしまったものはもうどうしようもない。


私は仕方なく、楽しそうなアキちゃんと柏木くんをテーブルへとご案内した。


「ご注文は?」


はい、と二人から食券が渡される。


私たちのクラスは、受付でお客さんが食べたいものを聞いてお金と引換に食券を渡して、それからお店の中にご案内している。


普通に中に入ってからメニューを渡して決めてもらおうかとも思ったけど、このほうがお客さんがメニュー選びに迷うことがないのであまり混まずに済むというわけでこういう方式になりました。


「それではご用意致しますので、少々お待ちください」


はーい、とアキちゃんと柏木くんは揃って頷く。
二人はあんなに仲が良かったっけ?ていうか、そもそも知り合いだったかな?
私はそんな疑問を抱きながら、一度教室を出た。