執事役なんて絶対できない。そう思ったからアキちゃんに執事やろうよと言われた時は全力で断ったのに……。


まさか、こんな形でやることになってしまうとは。


仕方ない、引き受けてしまったからにはきちんとやらなければ。


というわけで時間もなかったし、さっそく執事服に着替えた私は、やってきたお客さん第一号を迎え入れた。


「い、いらっしゃいませっ」


やってきたのは二人組の女子で、私たちの姿に一瞬驚いたあと。


「そういう“チェンジ”喫茶なのか!」


と、思った通りの反応を見せてくれた。


「こちらの、お、お席へどうぞ」


奥のテーブルにお連れすると、すぐに次のお客さんがご来店。今度はカップルのお客さん。


「いらっしゃいませー!」


「チェンジ喫茶・リトルリバーへようこそ!」


そのあとも続々とお客さんが入ってきて、1年2組のチェンジ喫茶はなかなかの盛況ぶり。
大変だけど、幸先の良いスタートです!


私は慣れない接客というものにあわあわしているけど、他の子は、執事さんはちょっと男の子っぽくかっこよく、メイドさんは女の子らしく可愛く対応して、すごくなりきっている。


きちんとやることに必死過ぎてさすがにそこまで頭が回らないけど、私も自分が出来る範囲で頑張ろう。