アキちゃん、すごく楽しそう。
早く執事さんとして振舞ってるところが見たい。きっと、すごくノリノリでやるんだろうなと考えると、思わず笑ってしまった。
「どうしたの?相沢くんに好きとでも言われた?」
「何でそうなるんですか!違いますよ!」
慌てて否定するけど、顔が真っ赤だったのか、アキちゃんはニヤニヤするだけ。
もう、アキちゃんってば……。
あ、相沢くんといえば。
相沢くんにさっきもらった食券をアキちゃんにも渡そうと思った時、「桜さーん」とクラスの女の子に呼び止められた。
「ごめん、ほんとーにごめん!申し訳ないんだけど、午前中の当番代わってくれない!?」
「えっ……?」
午前中の当番のその子は、部活のほうの出し物もあるんだけど、その関係で突然部長から呼び出しを受けたらしい。
「今日1人風邪で休んでる子がいて、その子の代わりにあたしが出なきゃいけなくなっちゃって!なるべくすぐ戻れるようにするから少しの間お願いできないかな……?」
それは!いわゆるやむを得ない事情というやつ!
何だかデジャブな感じもするけど、風邪は誰だってひいちゃうし、仕方ないというもの。
ちょっとの間なら、ということで当番を代わることにした。