「?」


紙を見てみると、“たこ焼き(8個入り)1つ”と書いてある。


たこ焼き……これはもしや……。


「サッカー部の……?」


「そう。その食券持ってくれば食べれるから。ほんとはお金貰って食券買ってもらわないとダメなんだけど、部長がちょっとならタダで食わせてやるって何枚かくれたから。香波にもやるよ」


「い、いいんですかっ!?」


もちろん、そう言って笑う相沢くんが、私にはとってもキラキラして見えた。


「あとで清水と一緒に来いよ。じゃあ、俺もう行かなきゃだからまたあとでな」


アキちゃんの分の食券ももらうと、相沢くんはエプロンを手にして颯爽と教室を出て行った。


「なぁに~?カレカノみたいなことしてぇ~」


「あ、アキちゃん!? って、もう着替えたの?」


背後からにょきっと現れたアキちゃん。
アキちゃんは、午後から当番だというのに執事服に着替えていた。


ネクタイとスラックスに、背広の裾がタキシードみたいになっているんだけど、すごくかっこよく着こなしている。


「うん。宣伝も兼ねてこのまま回ろうかなって。似合うー?」


「はい!とってもよく似合ってるよ!」


「ありがとー♪」