9時前になり、私たち文実委員以外の生徒たちが体育館に続々とやってきた。
私のクラスの人達もすぐに来て、学級委員を先頭に並びはじめる。
あっ、アキちゃん!
アキちゃんと目が合ったので、私は最大限のジェスチャーを駆使して、相沢くんに褒めてもらえたことを伝える。
アキちゃんのおかげだよ!ありがとう!
ぺこっと頭を下げて笑ってみせるとなんとか伝わったみたいで、アキちゃんも嬉しそうに微笑んでくれた。
そして9時になると同時に、開会式が始まった。
司会を務める2年生の文実委員さんが式を進めていき、校長先生の挨拶やら生徒指導担当の先生からの注意事項が伝えられる。
そして、とうとう魔の時間がやってきました。
「次は、各クラスの出し物のPRタイムです。クラスの文実委員は前に出てください」
こういうのは1年生からやっていくと相場が決まっているわけで、当然のように1年1組からPRタイムが始まった。
2組である私と相沢くんの番はこの次。
昨日の夜は大丈夫だったのに、直前になるとやっぱり緊張してきてしまった。
とりあえず、紹介文を書いたカンペを何度も読み返しては深呼吸をして、必死に心を落ち着かせようと試みる。
すると、そんな私が面白かったのか、隣にいた相沢くんが突然ぷっと吹き出した。