そうこうしているうちに、8時半になっていたので私は文実委員としてみんなより一足先に体育館へと向かった。
「野川先輩、おはようございますっ」
「あ、おはよう。桜さん」
委員長の野川先輩に一番に挨拶すると、野川先輩も笑顔で挨拶を返してくれる。
何人か先に来ていた1年生の文実委員の子や先輩たちにも挨拶をしてあと、私はキョロキョロとあたりを見回した。
相沢くんは……まだ来ていないみたい。
「今日の髪型可愛いね。似合ってるわよ」
野川先輩が私の髪を指さして言う。
「あっ、ありがとうございます!」
の、野川先輩に褒められちゃった!
嬉しくて、でも恥ずかしくて顔が赤くなった私に、野川先輩はさらに追い討ちをかけるかのように私の耳元で囁いた。
「相沢くん、ちゃんと気付いてもらえるといいね」
「ええっ!? あの、えと、……はい」
アキちゃんも野川先輩も、私の考えてることなんて手に取るようにわかってしまうらしい。
観念して首を縦に振る私に、野川先輩は優しく微笑んでくれた。
すると、ちょうどその時。
「おはよーございまーす」
ねむそうにあくびをしながら、相沢くんが体育館にやってきました。