「じゃあ、はい。香波激変大作戦終了~」
そう言って、アキちゃんが鏡を私の前に置く。
鏡の中の自分を見て、私は思わず感嘆の声をあげた。
「うわぁ……すごぉい」
私はいつも髪はとかすだけでおろしていて、特に結いたりはしていない。
でも今日は、アキちゃんの手によって、可愛い二つ結びになっていた。
耳の下ぐらいの高さでまとめられた髪は、毛先が軽く巻かれていて、自分で言うのもなんだけどとっても可愛い。
「すごい!可愛いです!ありがとう、アキちゃん!」
笑顔でお礼を言うと、アキちゃんもすごく嬉しそうに笑ってくれた。
アキちゃんが昨日覚悟してって言ってたのは、このことだったのか……。確かに、普段の自分がガラリと変わったのはすごくびっくりした。
「嫌がられるかなって思ったけど、喜んでもらえたみたいでよかった~」
「ううん!こんなに素敵にしてもらってすごく嬉しいです!ありがとうございます!」
鏡に写ったいつもと違う自分に思わずウキウキして、テンションが上がってしまう。
相沢くん……ちょっとだけでも可愛いって思ってくれるかな……。
「相沢くんに見せるの楽しみだね」
「も、もうアキちゃんてば!」
考えていたことを読まれて顔が真っ赤になってしまう。
でも、相沢くんと会うのが楽しみになってきた。
本当にありがとう、アキちゃん!