そんなことを考えていると、私たち1年2組の教室に到着。
教室とはいえ、普通の机と椅子がある見慣れた風景は完全になくなり、“チェンジ喫茶・リトルリバー”になっていた。
教室の大部分は喫茶店のフロアとして、いくつかのテーブルと椅子が並べられ、入口にはお会計というか受付のような場所が設置されている。
メイド服に着替えたりするためのいわゆるスタッフルームは、教室の後ろの3分の1ほどのスペースに仕切りをたてて作ってあり、私とアキちゃんはとりあえずそこに荷物を置いた。
「とゆーわけで、はい。ここに座って~」
「え?え?」
スタッフルームの隅の方に座るようアキちゃんに促され、私はわけもわからないけど言われるがままに腰をおろす。
すると、教室のコンセントを勝手に使って、アキちゃんはバッグから取り出したへアイロンや髪を巻くためのものであろうコテを温め始めた。
「アキちゃん?何するんですか?」
首を傾げる私に、アキちゃんはにんまりと怪しく笑って言った。
「香波激変大作戦~♪ 可愛くしてあげるから楽しみにしてなさ~い♪」
私、激変、大作戦……!?
「何ですか、そのめちゃくちゃ怪しい作戦は!?」
「もう、いいから目つぶってて!」
不安でいっぱいの私には構うことなく、アキちゃんは半ば私を無理やり大人しくさせて、私の髪をとかしはじめた。