「夏休み中も休まずきちんと学校行って、準備して……。あの香波が文実委員になったって聞いた時は、お母さんほんとにびっくりしたけど、最後までよく頑張ったねぇ」


頬に添えていた手を、今度は私の頭の上に置いてそっと髪を撫でてくれるお母さん。


お母さんの優しい言葉と、文実委員になった日から今までのことを思い出して、なんだか感極まって泣きそうになってくる。


慌てて、少し目尻に溜まった涙をぐいっと拭った。


「もう、お母さんってば大袈裟なんだから……。本番はこれからなんだから、まだ文実委員のお仕事は残ってるんだよ」


「ふふっ、そうだったわね。じゃあ、最後まで気を抜かずに頑張っていらっしゃい」


「うん!」


お母さんも、こんなにも楽しみにしててくれてるんだ。


絶対、絶対に成功させる。


もしちょっとくらい失敗しちゃっても、相沢くんを始めとした心強い仲間たちが私にはいる。


だから、大丈夫。きっと、トラブルひとつ起こすことなくやり通してみせる。


お母さんの心のこもった朝ごはんを完食して、私は勢い良く家を飛び出した。


「いってきまーす!」


「いってらっしゃーい!」


お母さんには、今までいっぱい心配かけちゃったから、今日は少しでも成長した姿を見せられればいいなぁ……。