その日の夜のこと。
明日に備えて、早く寝ようかなとベッドに座った時。
携帯のイルミネーションがチカチカと光っているのに気づいた。
メール……?
アキちゃんからだ。
【明日の朝、文実委員の準備とかある?】
文実委員の準備?
あ、開会式の準備があるから、開会式が始まる9時よりちょっと早く体育館に着いてなきゃいけないけど……。
そのことを伝えると、アキちゃんからすぐに返信がきた。
【じゃあ、その前だったら大丈夫だよね!
ふふふ、覚悟しといてね、香波!】
覚悟……!? 何の!?
アキちゃんは、時々わけがわからないことを言い出すから少し怖い。
明日の朝、何があるというのだろうか。
もしかして、今頃になって、みんなチェンジ喫茶が嫌になったとか?名前がダサすぎて!マリッジブルーならず、文化祭ブルー的な!
……いや、何じゃそりゃ。それはいくらなんでもないよね。
自分で自分につっこんで、またしばらく考えてみたけど、何も思い浮かばなかった。
もういいや、明日になればわかることだし。
今日はもう寝よう!
……あ、その前に。
携帯を握り直して、私はカチカチとメールを打った。
送信先は……相沢くん。
【文化祭、絶対成功させましょうね】
送信ボタンを押すと、すぐにメールが返ってきました。
【もちろん。良い文化祭にしような。
一緒に頑張ろうぜ!】
一緒に……。
うん、そうだね!一緒に頑張りましょう!
桜香波、文実委員としての務めを最後までやり遂げます!
相沢くんのメールを見たら、不思議と明日への不安とか緊張とかはなくなっていて、とても清々しい気持ちで寝ることができた。
そして……文化祭本番がやってきました。