「文実委員って、集まりも多くて仕事も大変で、楽な委員会じゃなかったと思う。でもその分、普段の学校からこんなふうに姿を変えるのを、誰よりも一番長く見守っていられる素敵な委員会だなとも思うんです」
夏休み中もほぼ毎日のように学校に行って、暑い中準備をしてきた。
文化祭っていうひとつの行事の為に学校をドレスアップさせる、なんて言ったら大袈裟かもしれないけど。
それができるのが文実委員なわけで。
「すごくやりがいのある仕事だったなぁ……」
つぶやいた私に、相沢くんも「そうだな」と頷いてくれた。
「つーか、しんみりするにはまだ早いぞ。文化祭本番は明日だ。まだまだ俺たちのやるべきことは残ってんぞ」
「そ、そうですね!」
私はまず、このPRをすらすらと言えるようにならなければ!
カンペを手にして、深呼吸。
「わ、私たちの、く、クラしゅは……!」
か、噛んだ!!
隣を見ると、相沢くんが必死でこらえているようだったけど肩を震わせて思いきり笑ってしまっている。
当然、たちまち耳まで真っ赤になる私。
噛むなんて!しかも好きな人の前で!
練習とはいえ、恥ずかしすぎるよ!