「大丈夫だよ、相沢くんが居るんだし」
「そ、そうだよね……。うん……。とりあえず完璧なPR文を完成させないと……」
「完璧を目指そうとしなくていいから、とりあえず何でもいいからそれっぽいの書きなさい」
「は、はいっ」
魂が半分ほど抜けかけていた私だったけど、アキちゃんに励まされ、なんとかシャーペンを走らせる。
それっぽいの、それっぽいの……。
「『私たちのクラスは男子がメイド、女子が執事という、一風かわった喫茶店をやっております。おいしいメニューをたくさんご用意しておりますので、よろしければ1年2組にいらしてください』って……。まあ、これはこれでいいと思うけど、なんか堅くない?」
「か、堅いっ?」
書いてみたのでアキちゃんに読んでもらったけど、ダメ出しをくらってしまった。
「PR文というのは文字通り、自分のクラスの出し物について紹介するものであって……」
慌てて解説しようとしたけど、「そうじゃなくて」とアキちゃんに苦笑される。
「開会式に出てるのは生徒と先生だけなんだから、もっとこう、面白味のあるPRにしてもいいんじゃない?」
ギャグを入れろということか!?
私にとってもっとも不得意なことで、なおかつその類のセンスはまったく持ち合わせていない。
「まあ、でも、あたしは香波らしくて好きだけど」
「え……?そ、そうかな……?」