「桜さんのクラスは順調に進んでる?」
「はい。クラスのみんなも、協力的な人たちばかりなので助かってます」
「うらやましいわぁ。私のところは男子がサボってばっかりで大変なの」
ため息をつく野川先輩。
言葉通りに大変なんだろうなって感じはするけど、なんだか楽しそうにも見える。
「野川先輩のところは、お化け屋敷でしたっけ?」
「そう!クオリティー高いから、絶対怖いわよ〜!」
3年生だし、野川先輩ってとことん完璧にやりそうだし、確かに怖そう……。
お化け屋敷はあんまり得意じゃないんだけど、アキちゃんがそういうの好きそうだから行くことになるかもしれない。
覚悟しておかないと……。
「そうだ。せっかくだから、浩也くんと一緒に来なよ」
「えっ!?」
ひ、浩也くんって……相沢くん!?
何でいきなり相沢くんの話が出るのとか、どうしてわざわざ一緒にとか、野川先輩が何でそんなことを言ったのかとか、いろんな疑問で頭がいっぱいになる。
「あの、えっと、何で……」
「だって、桜さん、浩也くんのこと好きでしょ?」
「……!!?」
ちょ……ちょっと、あの、待ってください!
わ、私、野川先輩に言ってないよね?そんなにわかりやすかったのかな?
何で……先輩はこんな話をするの……。