「それにしても、香波からこうやって誘ってもらえたの初めてだから、あたしすっごい嬉しかったんだー!ていうか、香波のほうからメールくれることが初めてだったよね!」
「えっ?そ、そうだっけ?」
「そうだよーもう!」
ケーキを頼むつもりなのか、メニューを見ながらアキちゃんが苦笑する。
「香波も何か頼む?」と聞かれたけど、私はいろいろと胸がいっぱいだったから断った。
「ティラミスひとつくださーい!あとアイスココア!」
元気良く店員さんに注文を済ませ、さっき飲み干したカフェオレのストローをもてあそぶアキちゃん。
早く食べたいのかなぁ?待ち遠しそう。
そんなアキちゃんの姿が微笑ましくて、つい「ふふっ」と声に出して笑った。
「なにー?香波、何笑ってんの?」
「いえ!何でもないよ」
突然笑い出した私を不審な目で見てくるアキちゃんに、私は自分でもびっくりするくらいストレートに言った。
「私、初めてできた友達がアキちゃんで良かったなぁ……」
そうつぶやいたあと、アキちゃんの目がまん丸に見開く。
「香波……!あたしのことそんなふうに思ってくれてたなんて……!」
それからちょっぴり目尻に涙を光らせ、今日一番飛びっきりのアキちゃんスマイルで応えてくれた。
「あたしもだよ、香波!ずーっと仲良しでいようね!」
人生で初めて交わした、あまりにも素敵すぎるこの約束を、私は一生守ると決めた。