「香波~!こっちこっち!」
アキちゃんと初めて一緒にお茶したあのカフェに向かうと、私を呼ぶ明るい声が耳に届く。
慌てて学校から直行したおかげで待ち合わせ時間より少し前に着いたけど、アキちゃんは既に到着していて、窓際のテーブル席を陣取ってくれていた。
「すみません、アキちゃん!」
「全然いいよー!今日もお疲れ様!」
ぺこりと頭を下げると、アキちゃんが優しく椅子に座るように私に促した。
「さてさて、相沢くん関係のことかな?」
「ななな何でわかるんですか!」
アキちゃんはエスパーなのか。相変わらず鋭いです!
その通りなんだけど、突然相沢くんの名前が出てきたから少し動揺してしまう。
「どうしたの?あれからまた何かあった?」
アキちゃんの問いに、私は静かに首を横に振った。
「相沢くんとは何もないんです。ただ今日、相沢くん休みだったんですけど、野川先輩も休みで……そしたら柏木くんが『2人で会ってるんじゃないか』って……」
「まーた嫌なこと言ってきたのね!柏木って奴!」
自分の事のように口を尖らせて怒ってくれるアキちゃん。
そのことを嬉しく思いながら、話を続けた。