相沢くんに言われた通り、美術係と衣装係に別れる。私は衣装係で、相沢くんは美術係だ。
衣装係にはアキちゃんも一緒にいるからあまり不安なことはないけど、相沢くんなしで私一人で意見をまとめたりできるのかな……。
「えっと、えっと、まず、メ、メイドさんのほうの衣装なのですが……えっと、あの……」
私の言葉に耳を傾けてくれているのは物凄くありがたいけど、じっと見られていると緊張してしまう。
しどろもどろになる私を見て、アキちゃんが突然ケラケラと笑い出した。
「あはは!香波ってば緊張しすぎでしょ!大丈夫だから、もっとリラックスして!」
「あ、アキちゃん……」
り、リラックスですね……。
すーはーと深呼吸をしていると、他のみんなもそんな私が可笑しかったのか笑い出した。
「桜さん、可愛い~」
「頑張ってー!」
「うちら指示してくれれば何でもやるからねー!」
み、皆さん……!
にこにこと笑いながら、みんなが優しい言葉をかけてくれる。
自然と緊張は解けていき、私は手にしていたペンを握り直して言った。
「ま、まず!メイドさんの服のデザインを決めたいと思います!男の子が着るので、スカートの丈はあまり短すぎないもののほうがいいと思うのですが、それをふまえてどういうデザインにしたいか意見のある方はお願いしますっ」
言えた。前を向いて、皆の顔を見て、はっきりと。