今までこういうグループ分けとか、班を作る時は、一緒に組もうなんて言ってくれる人はいなかったから、いつも余ったところに入れてもらっていた。
今日も、今までと同じで当たり前のように余ったところに……って考えていた。
でも、もう違うんだ。友達がいるんだ、私には。
「えへへ……ありがとう、アキちゃん」
嬉しくてにやけてしまう私に、アキちゃんも「別に~」なんて少し照れながら微笑んでくれた。
「よかったな、香波」
「相沢くん……」
そんな私とアキちゃんの様子を見ていた相沢くんが、優しい目でそう言ってくれた。
相沢くん……その優しい目と言葉は、ちゃんと“私”に向けてくれてるものなんですか……?
また、私の心に嫌な気持ちが生まれる。
また野川先輩と重ねて……なんてネガティブな考えを払うように頭を左右に振り、私は勇気を振り絞って相沢くんに呼びかけた。
「あのっ、相沢くん、相沢くんもあの、一緒に……」
「おーい、相沢ー!一緒に組もうぜー!」
私の小さな声は、遠くにいる男の子の大きな声でかき消されてしまった。
一緒に……グループ……。
言えなかった言葉を飲み込む。
「悪い。俺、こいつらと組むからー」