〈相沢くんには、香波のほうから連絡しといてねー!〉


「うん、わかっ……って、ええっ!?」


思わずペンが手から滑り落ちそうになってしまった。


〈だってー、あたし相沢くんの連絡先知らないし。香波知ってるんでしょ?じゃあ、よろしくー!〉


明日の10時に集合ね、と一方的に言うと、アキちゃんは電話を切ってしまった。
断る暇なんてなかったので、私が相沢くんに連絡するしかない。


メールでいいかな。
……なんとなく、したくないなぁ。


明日、相沢くんと顔を合わせるのが少し嫌だ。


相沢くんが今まで私に親切にしてくれてたのは、野川先輩と私が似てたから、同じだったからってわかった途端、あまり良くない黒い気持ちが広がった。


“私”を助けようとして、あの日声をかけてくれたわけじゃないんだもんね……。


でも、アキちゃんが誘ってくれたわけだし、文化祭関係のことだったら、相沢くんに何も知らせないのも良くない。


【相沢くん、明日空いていますか?
クラスのみんなで文化祭の準備で集まるそうなので、お暇でしたら相沢くんも来てください。
場所は1年2組の教室に10時集合です。
それでは、突然のメール失礼しました】


そういえば、これが初めて私から相沢くんに送るメールだ。
いつも文化祭関係の連絡は相沢くんのほうから電話やメールなりしてくれてたから。