「桜さん、今日早く帰らなきゃいけないの!だから掃除当番代わってくれないかな?」
「桜さん、ごめん!これからバイトだからさ、日直の仕事やっといて!」
「先生に頼まれちゃったんだけど……ごめん!桜さん、代わりにお願いします!」
畳み掛けるように、次から次へと頼まれるいわゆる雑用。
バイトだの用事があるだの、本当のところ正直わからない。
今日こそ断るぞ……!
と、毎日のように思うのに。
「は、はい……!私で良ければっ、よよよ喜んで……!」
ああ……もう、私ってどうしてこうなんだ……。
自分のダメさに思わず頭を抱えたくなってしまう。
答える前にどれだけ心の準備をして決意をしても、それでも断れないのは、口下手なうえに人見知りな自分が悪いのです……。